SINGER 246-3 調整マニュアル

℔ THE SINGER MANUFACTURING CO.より発刊されたものを当方が文字起こしたマニュアルの一部です。内容の記載に問題がある場合は問い合わせ先より連絡ください。

説明

 246-3型ミシンは、差動送り機構、トリマー、1本の針と2本のルーパーを備え、3本糸オーバーエッジタイトニードルスレッドステッチ(連邦規格ステッチタイプ#504)を縫製します。モスリン、レーヨン、トリコット、シルク、薄手のデニム、フランネル、バルブリガン、薄手および中厚手のセーター素材など、使用する素材に応じて厚さ3/16インチまでの生地のトリミングと縫製を同時に行うように設計されています。このミシンは、針から1/16インチから1/4インチの範囲でトリミングできるように調整できます。
 このミシンは、2本糸オーバーエッジステッチ(連邦規格ステッチタイプ#502)、2本糸かがり縫いステッチ(連邦規格ステッチタイプ#503)、または3本糸パールエッジステッチ(連邦規格ステッチタイプ#505)を縫製するように改造することも可能です。
差動送り機構により、生地をギャザー寄せたり、伸ばしたり、均一に送ったりすることができます。
 246-5型ミシンは246-3型ミシンと似ていますが、中厚手および厚手のニット製品、スポーツジャケット、フルーツバッグ、ランドリーバッグなど、使用する素材に応じて厚さ1/4インチまでの生地のトリミングと縫製を同時に行うように設計されています。このミシンは、針から1/8インチから9/32インチの範囲でトリミングできるように調整できます。

速度

 246-3型ミシンの推奨最高速度は毎分5500針です。可動接触部分が互いの摩擦によって滑らかになるまでは、最高速度よりも遅い速度で運転してください。長時間運転の場合は、毎分5000針の最高速度が推奨されます。246-5型ミシンの推奨最高速度は毎分5000針(長時間運転の場合は4500針)です。
 ミシン運転中は、ミシンプーリーは常にオペレーターから見て反時計回りに回転するようにしてください。

ミシンの設置方法

 ミシンのベースをテーブルの上に置き、ミシンプーリーのベルト溝が駆動プーリーのベルト溝と一直線になるように位置を調整し、テーブルの上にミシンのベースの外形線を引いてください。また、図8、6ページに示すように、押さえ金レバーXの真下にある穴Eの位置を確認してください。
 ミシンを台座から取り外します。ミシン台座とベルトガードをテンプレートとして使用し、A、B、Dに示すように、テーブルに6本の木ネジ用の穴を6箇所に印を付け、ドリルで穴を開けます。フットリフターから押さえ金レバーまでのチェーンを通すための穴Eを開けます。
台座をAの位置に2本のNo.6平頭1インチ木ネジ、Bの位置に2本のNo.8丸頭3/4インチ木ネジでテーブルに固定します。
 次に、ベルトガードCをDの位置に2本のNo.7平頭3/4インチ木ネジでテーブルに固定します。フェルトクッションFが所定の位置にあることを確認した後、ミシンを台座のAとBにあるゴムクッションの上に置きます。

ミシンの注油

 シンガーミシン会社が販売している「タイプA」オイルを使用してください。このオイルの説明については、表紙の内側をご覧ください。ミシンを取り付けた後、ミシンを始動する前に、ミシン上部のオイル注入口Gにこのオイルを注ぎ、オイルレベルゲージHが半分になるまでオイルタンクを満たしてください。その後、ミシンを始動する前に毎日オイルゲージHを確認し、オイルレベルをゲージの中央に維持してください。ミシンの断面図をご覧ください。

図3. 注油

針と糸

 このミシンに使用する針は、湾曲した刃のクラスおよび種類151×1で、サイズは9、11、14、16があります。ナイロン素材用のクロムメッキ針などの特殊なサイズや仕上げの針は、ご要望に応じて製造いたします。使用する針のサイズは、針穴をスムーズに通る糸のサイズによって決める必要があります。粗い糸や不均一な糸、または針穴を通りにくい糸を使用すると、適切な縫い目の形成が妨げられます。針のご注文の際は、必要な数量、サイズ番号、およびクラスと種類の番号をxで区切って明記してください。以下は、分かりやすい注文例です。
「100本入り 9番、151×1番針」
最高の縫製結果を得るには、シンガーミシン会社製の針を使用してください。

151×1 R point (Nm100以上下図) TLx1,SY1261

針の取り付け方

ソケットレンチ164197番を使用します。

 ミシンのプーリーを操作者側から回して、針ホルダーZを一番上の位置まで上げます。押さえ金レバーJを上げて押さえ金Kを外し、押さえ金Kを左側に回します。ソケットレンチ164197番でナットMを緩めます。ピンセットを使って、針を針ホルダーZにストッパーOに当たるまで差し込み、ナットMをしっかりと締めます。

図4. 針の取り付け

糸通しの準備

 糸通しを容易にするため、押さえ棒レバーJを上げ、押さえ棒Kを左側に倒します。次に、布押さえ板を左側に倒し、前面カバープレートPを開きます(図8)。

糸巻き器 #151031への糸通し

(3本糸縫い用)(タイトステッチまたはエッジかがり縫い)

図5. 糸巻き器への糸通し

 スプールNから針糸を取り出し、ループN1を後ろから前に通し、下に下ろしてアイレットN2を上から下に通し、さらにアイレットN3を上から下に通します。
 スプールRから右ルーパー糸を取り出し、ループR1を後ろから前に通し、下に下ろしてアイレットR2を上から下に通し、さらにアイレットR3を上から下に通します。
 スプールLから左ルーパー糸を取り出し、ループL1を右から左に通し、下に下ろしてアイレットL2を上から下に通し、さらにアイレットL3を上から下に通します。

注:ナイロン糸で縫製する場合は、別売りの糸巻き器 #228706を使用することもできます。

針への糸通し(3本糸タイトステッチ用)

図6. 針への糸通し

 糸巻き器に糸を通した後、糸巻き器のアイレットN3(図5)から糸を取り出し、下に下ろしてテンションディスクの後ろにあるアイレットN4(図6)を後ろから前に通し、次にテンションディスクN5の間を時計回りに通します。

 ミシンプーリーを手前に回して針が一番高い位置に来るまで回し、図7に示す糸通しワイヤーを使って、糸をチューブN6に右から左に通します。糸通しワイヤーから糸を外し、上に上げてアイレットN7を右から左に通します。アイレットN7から糸を取り出し、下に下ろして針穴N8を前から後ろに通します。
縫い始めのために、針穴から約2インチ(約5cm)の糸を引き出します。

図7. 糸通しワイヤー 164196

右ルーパーへの糸通し(3本糸タイトステッチ用)

図8. 右ルーパーへの糸通し

注意:右ルーパーに糸を通す際は、糸切れの原因となるような糸のたるみがないことを確認してください。(図9参照)

図9. 右ルーパー

 ミシンプーリーを手前に回し、針が一番下の位置になるようにします。次に、糸巻き器のアイレットR3(図5)から糸を引き出し、糸ガイドR4(図8)の後ろから前に通し、テンションガイドR5の下を通り、テンションディスクR6の上を通ってディスクの間に入れます。フロントカバープレートPを手前に引き、糸を糸ガイドR7(図10)の下を通り、ストリッパーアイレットR8を右から左へ、右の糸取りとワイヤーガードの間R9を右から左へ、そして左の糸取りのアイレットR10を右から左へ通します。
 図7に示す糸通しワイヤーを使用して、糸をチューブ開口部R11にガイドします。糸通しワイヤーをチューブ出口R12(図8)から引き抜きます。次に、糸を右ルーパーのアイレットR13に前から後ろに通します。(図9の注意書きを参照してください。)右ルーパーのアイレットから約2インチ(約5cm)の糸を引き出し、縫製を開始できるようにします。

図10. 右ルーパー糸取りへの糸通し

左ルーパーへの糸通し(3本糸タイトステッチ用)

図11. 左ルーパーへの糸通し

注:作業を容易にするため、左ルーパーに糸を通す前に右ルーパーに糸を通してください。

 糸巻き機のアイレットL3(図5、4ページ)から糸を引き出し、糸案内14(図11)の後ろから前に通し、テンションガイドL5の下を通り、テンションディスクL6の上と間を通します。カバープレートPを手前に引き、糸をアイレットL7(図11A)に通し、右の糸取り装置とそのワイヤーガードの間(L8)を右から左へ、左の糸取り装置のアイレットL9を右から左へ、そして右の糸取り装置のアイレットL10を右から左へ通します。
 図7(6ページ)に示す糸通しワイヤーを使用して、糸をチューブL11を右から左へ通し、溝L12に沿って上へ導きます。ミシンプーリーを手前に回し、左ルーパーのアイレットL14がチューブL13と一直線になるようにします。

 次に、糸をチューブL13を前から後ろに通し、左ルーパーのアイレットL14に通します。
左ルーパーのアイレットから約2インチ(約5cm)の糸を引き出し、縫製を開始できるようにします。

3本糸縁かがり縫い用のミシンへの糸通し

 ミシンが正しく再調整されたら、下の図12に示すようにミシンに糸を通してください。(糸巻き機への糸通しについては図5を参照してください)。

注意:右ルーパーに糸を通す際は、糸切れの原因となるような糸の緩みがないことを確認してください。(図9)。

図12. ミシン、針糸アイレット、ルーパーへの糸通し

注:針糸アイレットへの糸通し方法は、図12に示すように、縁かがりステッチの場合と、図6のN7に示すようなタイトステッチの場合とでは異なります。

2本糸オーバーロックステッチ用のミシンへの糸通し

図13. 糸巻き器 #151031への糸通し

 ミシンを正しくセットしたら、図13に示すように糸巻き器 #151031に糸を通し、次に下の図13ABCに示すようにミシンに糸を通します。

注:ナイロン糸で縫製する場合は、必要に応じて、別売りの糸巻き器 #228705を使用することもできます。

図13, ABC. ミシン、針糸アイレット、ルーパーへの糸通し

注:図13Bは、2本糸オーバーロックステッチの場合の針糸アイレットへの糸通し方法を示しています。
針への糸通しの詳細については、図4をご覧ください。

糸調子の調整

 針糸とルーパー糸の糸調子は、糸が切れることなくスムーズに引き出せる程度に軽く、かつしっかりとした縫い目になるように調整してください。
針糸の糸調子はつまみナットRで調整します。

左ルーパー糸の糸調子はつまみナットSで調整します。
右ルーパー糸の糸調子はつまみナットTで調整します。

図14. 調整

素材への圧力を調整する

 押さえ金Vが素材にかける圧力は、機械上部のつまみネジUで調整します。圧力を上げるには、つまみネジUを下に回します。圧力を下げるには、つまみネジUを上に回します。

針の湾曲を確認する

図15 針湾曲ゲージ No. 164336

 縫い目の調整を行う前に、針の湾曲をゲージ#164336で確認する必要があります。針の湾曲を確認するには、針をゲージにセットし、平らな面が溝A6の底面に沿うようにします。針をストッパーB6に当たるまで溝に押し込みます。
 つまみナットC6を回すと、ラジアルゲージD6の先端が針の湾曲に沿って動きます。先端は針穴にちょうど接触し、湾曲の上端では0.005~0.006インチの隙間がある必要があります。
このテストに合格しない針は、正しい湾曲の針に交換する必要があります。

縫い目の長さを変更する

図16 送り偏心カム164020と抽出器164203

 差動送り機構は、2つの送り歯A2とB2で構成され、それぞれ2つの送り偏心カムC2によって独立して作動します。
 縫い目の長さは、使用する送り偏心カムによって決まります。各送り偏心カムには、F2に示すように、1インチあたりの縫い目の数が刻印されています。
両方の送り偏心カムが同じ縫い目長さに設定されている場合、2つの送り歯は一体となって動作し、素材を均一に送ります。
 送り偏心カム#164020は、1インチあたり6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、22、24、28、32、または36針の縫い目長さに対応できます。特に指示がない限り、1インチあたり約14ステッチを縫う2つの送り偏心カムのみが機械に標準装備されています。
送り偏心カムを取り外すには、布押さえ板Qと送り偏心カムカバーS5を左側に回し、シャフトD2から六角ナットを取り外し、機械に付属の送り偏心カム抜き工具T5をネジ穴E2にねじ込みます。

図16A. 差動送りの調整

 抜き工具T5で軽く引っ張ると、まず外側の送り偏心カムを取り外すことができ、同様の方法で内側の送り偏心カムも取り外すことができます。
 送り偏心カムを取り付ける際は、各偏心カムの外側面F2に刻印された番号が外側を向いていることを確認してください。溝G2はシャフトD2のキーH2にしっかりと嵌合する必要があります。両方の送り偏心カムがしっかりと固定されたら、六角ナットをシャフトD2にしっかりと締め付けてください。

生地をギャザーにする場合

 ギャザーを寄せるには、手前側の送り歯B2(手前にある方)を、奥側の送り歯A2よりも長いステッチになるように設定する必要があります。
内側の送り偏心カムは手前側の送り歯B2を制御します。外側の送り偏心カムは奥側の送り歯A2を制御します。
ギャザーを寄せるために送り偏心カムを取り付ける際は、長いステッチ用に設計された偏心カムを内側の送り偏心カム、つまりシャフトD2に最初に取り付ける方にする必要があります。

生地を伸ばす場合

 生地を伸ばすには、奥側の送り歯A2(奥にある方)を、手前側の送り歯B2よりも長いステッチになるように設定する必要があります。
 生地を伸ばすために送り偏心カムを取り付ける際は、長いステッチ用に設計された偏心カムを外側の送り偏心カム、つまりシャフトD2に最後に取り付ける方にする必要があります。

送り歯の高さを正しく設定する

(246-3型にはゲージ番号164459、246-5型にはゲージ番号164460を使用)

図17. 送り歯の調整

 送り歯の高さを確認するには、押さえ金Kを左側に回します。図17に示すように、ゲージJ2を送り歯の上に置き、針板U2にしっかりと密着させます。ミシンプーリーを手前に回し、送り歯が最も高い位置になるまで回転させます。この位置で、送り歯はゲージJ2の底面K2にわずかに接触するはずです。

 前側の送り歯B2を調整するには、図16Aに示す布押さえQと送り偏心カバーS5を左側に開いてから、調整ネジM2を緩め、必要に応じて送り歯B2を上下に動かします。調整後、ネジM2をしっかりと締めます。後側の送り歯A2を調整するには、調整ネジO2を緩め、必要に応じて送り歯A2を上下に動かします。調整後、ネジO2をしっかりと締めます。

送り歯の傾き調整

 送り歯を傾ける場合は、まず上記に記載されているように、送り歯を正しい高さに設定してください。次に、機械後部にあるヒンジピン固定ネジP2を緩めます。
 送り歯を針の後方で上に、前方で下に傾けるには、ヒンジピンS2を機械後方に向かってゆっくりと回し、希望の傾きが得られるまで調整します。
 送り歯を針の後方で下に、前方で上に傾けるには、ヒンジピンを機械前方に向かってゆっくりと回し、希望の傾きが得られるまで調整します。その後、ネジP2をしっかりと締めます。

針キャリアを正しい高さに設定する

(246-3型機にはゲージ#164459、246-5型機にはゲージ#164460を使用)

図18

 針キャリアの高さを確認するには、ミシンプーリーを手前から奥に回し、針キャリアZが最高位置に達するまで回します。針と針板を取り外し、押え金と布押え板を左側に回し、ミシンプーリーを手前から奥に回して、針キャリアZが最低位置に達するまで回します。図18に示すように、ゲージJ2の「LOW」側を針キャリアと針板座の間に差し込みます。
この設定では、針キャリアZはゲージJ2の「LOW」側の上面Q2にちょうど触れるはずです。

図19. 針キャリアの調整

 針キャリアを正しい高さに設定するには、上部フレームカバーを取り外し、クランプネジT2と2つの調整ネジD5とYを緩めます。必要に応じて、針キャリアZを上下に動かします。まず、ネジT2をしっかりと締めます。次に、2つのネジD5とYを締め、上部フレームカバーを機械に取り付けます。

左ルーパーを針に対して正しく設定する(246-3型機にはゲージ#164459、246-5型機にはゲージ#164460を使用)

図を参照20および21

 左ルーパーを取り付けるには、スロートプレートU2(図17)とチップガードW(図24、18ページ)を取り外します。左ルーパーホルダーC3にある止めネジW2を緩め、ルーパーをホルダーに完全に押し込みます。次に、止めネジW2をしっかりと締めます。
 左ルーパーを針の左側に正しい距離に設定するには、ミシンプーリーを手前に回し、針キャリアZが最低位置に達した後、ゲージJ2の「HIGH」端が針キャリアとスロートプレートシートの間を通過できるまで、針キャリアZが十分に上昇するまで回します(図20参照)。この設定では、針キャリアZはゲージの「HIGH」端の上部表面U4にちょうど触れ、左ルーパーZ2の先端は針の左側にちょうど触れる必要があります。この設定で左ルーパーが針に届かない場合は、右調整ネジB3を緩め、左調整ネジA3を、左ルーパーの先端が針に当たるまで締めます。

図20 左ルーパーの設定

 上記の状態で左ルーパーが針を通り過ぎる場合は、左調整ネジA3を緩め、右調整ネジB3を、左ルーパーZ2の先端が正しい位置に戻るまで締めます。次に、ネジA3を締め、上記のように針に対する左ルーパーの横方向の位置を再確認します。

図21 左ルーパー

 左ルーパーは、右方向への動きで針の後ろを通過するときに、針に軽く接触する必要があります。左ルーパーを針の後ろに正しく設定するには、スロートプレートU2(図17)とチップガードW(図24)を取り外し、左ルーパーの先端が針をちょうど通過するまでミシンプーリーを手前に回します。調整ネジY2と止めネジX2を緩め、左ルーパーZ2が後ろから針にほぼ触れるまでルーパーホルダーC3を動かします。止めネジX2を締め、次に左ルーパーZ2が実際に針に接触するまで調整ネジY2をゆっくりと締めます。次に、図17の針板U2と図24のチップガードWを取り付けます。

右ルーパーと針の位置調整

(246-3型ミシンにはゲージ番号164459、246-5型ミシンにはゲージ番号164460を使用)

図22.右ルーパーの位置調整

 右ルーパーの設定を適切に調整するには、押さえ金を左側に振り出し、チップガードW(図24、18ページ)を取り外し、フロントカバープレートP(図25、19ページ)を開け、ルーパー糸板03(図25)と針板を取り外します。
以下の手順に従って、右ルーパーを調整してください。

  1. 右ルーパーキャリアが最も左の位置にあるとき、ブラケットQ3とガイドバーW3間の距離は、ゲージJ5(図22)の「LOW」とマークされた端部の厚さE3よりも大きくあってはなりません。ただし、このクリアランスは、「HIGH」とマークされたゲージの端部の厚さY4以上である必要があります。
    ブラケットとガイドバー間の距離を調整するには、クランプネジM3と調整ネジN3およびP3を緩めます。この距離を大きくするには、適切な距離が得られるまで下側の調整ネジP3を締めます。この距離を小さくするには、上側の調整ネジN3を締めます。正しい設定が得られたら、クランプネジM3をしっかりと締めます。
  2. 2本の止めネジG3を緩め、ブラケットQ3を左右に動かして、鋳物上の最も右と左の位置を特定します。ブラケットQ3を2つの極端な位置の中央に配置し、2本の止めネジG3を締めます。
  3. ルーパーD3をルーパーキャリアS3に挿入し、図22のJ2に示すように、ゲージを針板座に置きます。右ルーパーD3が最も左の位置にあるとき、ゲージの「LOW」側の下面Q2にちょうど触れるようにします。
    右ルーパーを正しい高さに設定するには、ルーパーカラーK3の止めネジF3を緩め、ルーパーキャリアS3のロックネジスタッドH3のナットを緩めます。ロックネジスタッドH3のスロットがルーパーキャリアと一直線になっていることを確認し、必要に応じてルーパーキャリア内で右ルーパーD3を上下に調整し、スタッドH3のナットを締めます。次に、ルーパーカラーK3をルーパーキャリアにしっかりと押し付け、止めネジF3をしっかりと締めます。
  4. 右ルーパーが左ルーパーを通過する際、左ルーパーヘッドの後ろ側、針の手前側を通過する必要があります。図22の挿入図J6に示すゲージの「HIGH」側を針の左側に当てます。ミシンプーリーを回して、右ルーパーD3が最も左側の位置に来るようにします。このとき、右ルーパーD3の先端がゲージの表面C5にわずかに触れるようにします。
図23. 右ルーパーの調整
  1. 右ルーパーは、左ルーパーの後ろを通過する際に、針の前面に軽く触れるようにする必要があります。右ルーパーD3の位置を調整するには、スタッドH3のナットを緩め、必要に応じて右ルーパーキャリアS3内で右ルーパーD3を動かし、その後、スタッドH3のナットをしっかりと締めます。上記の手順に従って、右ルーパーの高さ、左右の位置を再度確認し、調整します。
    右ルーパーのすべての設定が正しく調整されたら、各設定を再度確認し、すべての止めネジとナットがしっかりと締め付けられていることを確認してください。次に、ルーパー糸案内板03(図25)とチップガードWを取り付けます。

針糸コントローラーの調整

図24. 針糸コントローラーの調整

 針が最も高い位置にあるとき、針糸は針糸コントローラーJ3のクリアランスU3の下を通る必要があります。

 針糸コントローラーを調整するには、ネジX5(図17)とオイル飛散防止カバーZ5(図17)を取り外します。上部カバーG4(図25)を取り外し、布押さえ板Qを左側に開きます。2本の止めネジV3を緩め、必要に応じて針糸コントローラーJ3を前後に動かします。その後、2本のネジV3をしっかりと締め、飛散防止カバーZ5と上部カバーG4を取り付けます。

ルーパー糸取り装置(左側)の調整

 左ルーパーZ2を最も右側の位置に移動させたとき、左糸取り装置X3の糸通し穴は、図25に示すように、左ルーパー糸ブッシュY3の中心線と一直線になるように調整してください。
 左糸取り装置X3を調整するには、図24の切りくずガードWを取り外し、前面カバープレートPを開けます。2本の止めネジT3を緩め、必要に応じて左糸取り装置X3の右端を上下に動かします。調整後、止めネジT3をしっかりと締め付け、切りくずガードWを取り付けます。

ルーパー糸取り装置(右側)の調整

 左ルーパーZ2を最も右側の位置に移動させたとき、右糸取り装置A4の糸通し穴は、図25に示すように、左ルーパー糸ブッシュY3および左糸取り装置X3の糸通し穴と一直線になるように調整してください。
 右糸取り装置A4を調整するには、前面カバープレートPを開け、止めネジC4を緩めます。必要に応じて右糸取り装置A4を上下に動かします。調整後、止めネジC4をしっかりと締め付け、カバープレートPを閉じます。

右ルーパー糸剥離装置の調整

 右ルーパー糸案内B4は、図25に示すように、調整範囲の上限と下限の中間位置にあるのが通常です。右ルーパー糸案内を調整するには、前面カバープレートPを開き、止めネジH4を緩めます。必要に応じて、アイレットB4を上下に動かします。その後、止めネジH4をしっかりと締め付け、カバープレートPを閉じます。

図25.ルーパー糸の引き上げ調整

左ルーパー糸案内の調整

 左ルーパー糸案内F4は、図25に示すように、スロットK4の中間位置にあるのが通常です。
 左ルーパー糸案内を調整するには、止めネジE4を緩め、アイレットF4を適切な位置まで上下に動かします。その後、止めネジE4をしっかりと締め付けます。

両ルーパー糸の引き上げ調整

 両方のルーパーに糸を多く供給するには、右側の糸引き上げレバーA4を下げ、または左側の糸引き上げレバーX3を上げます。
 両方のルーパーに糸を少なく供給するには、右側の糸引き上げレバーA4を上げ、または左側の糸引き上げレバーX3を下げます。

右ルーパー糸のたるみ調整

 右ルーパーD3が最も左側の位置に移動したとき、アイレットB4とテンションディスクM4の間にある右ルーパー糸にはわずかなたるみが必要です。右ルーパー糸のたるみを少なくするには、アイレットB4を下げます。右ルーパー糸のたるみを多くするには、アイレットB4を上げます。

縫い幅調整のための固定メスの調整

 固定メスJ4と針の位置関係によって縫い幅が決まります。調整するには、止めネジT4を緩め、必要に応じて固定メスホルダーS4を左右に動かします。止めネジT4をしっかりと締め付けます。その後、以下に説明するように、可動メスを固定メスに対して調整します。作業の種類によっては、縫い幅をチェーンステッチ押さえの幅に合わせる必要があります。

可動刃と固定刃の位置調整

 可動刃D4を固定刃J4に対して調整するには、クランプねじQ4、刃クランプZ3、および切り屑排出器O4を取り外します。図20(15ページ)の止めねじW4を緩め、可動刃D4の刃先が最も低い位置にあるときに、固定刃J4の刃先よりもわずかに下になるまで、刃ホルダーP4を左右に動かします。止めねじW4(図20)をしっかりと締めます。次に、切り屑排出器O4、刃クランプZ3、およびクランプねじQ4を取り付けます。可動刃D4を固定刃J4に軽く押し付けながら、ねじQ4を締めます。

固定刃の取り外し

 固定刃J4を取り外すには、ナットV4を緩め、刃J4を上に引き抜きます。

固定刃の取り付け

 固定刃J4を取り付けるには、刃ホルダーS4に刃を押し込み、刃先がスロートプレートU2と面一になるまで下げます。次に、ナットV4をしっかりと締めます。

図26. トリマーの調整

可動ナイフの取り外し方

 可動ナイフD4を取り外すには、クランプねじQ4、ナイフクランプZ3、ナイフガードC5、およびチップエジェクター04を取り外します。次に、ナイフD4をナイフホルダーP4から持ち上げます。

可動ナイフの取り付け方

 可動ナイフD4を取り付けるには、ナイフをナイフホルダーP4に差し込み、チップエジェクター04、ナイフクランプZ3、ナイフガードC5、およびクランプねじQ4を取り付けます。可動ナイフD4を固定ナイフJ4に押し付け、クランプねじQ4をしっかりと締めます。
 次に、図27に示すように、可動ナイフD4の刃先の一番低い点X4が固定ナイフJ4の刃先にちょうど接するまで、機械プーリーを手前に回します。セットスクリューT4を十分に緩めて、固定ナイフJ4の後ろにあるスプリングを解放し、固定ナイフが可動ナイフD4にしっかりとスプリングで接触するようにします。その後、セットスクリューT4をしっかりと締めます。

図27 ナイフの接触点

トリマーナイフの研磨方法

 246クラスのミシンに使用されているナイフを研磨するには、ここに図示されているSINGER*ナイフ研磨機701-7(モーター駆動)またはSINGERナイフ研磨機701-9(ベルト駆動)が必要です。これらの研磨機を使用することで、各ナイフの刃先の正しい角度が確保されます。これらのナイフを手で研磨しようとしないでください。

図28 可動ナイフの研磨

 ナイフ研磨機701-7を注文する際は、必ず希望の電圧範囲を指定してください。ナイフ研磨機701-7は、モーターの銘板に記載されている電圧範囲内で常に使用してください。モータースイッチはH5に示されています。
 可動ナイフD4を研磨するには、レバーアームA5の前面にあるナイフホルダーB5にナイフを挿入し、つまみねじZ4を締めます。親指ナットE5を手前に回して、ナイフD4が研削面G5から離れるようにします。レバーアームA5を交互に前後に動かしながら、必要に応じて親指ナットE5を回し、ナイフの刃先が砥石の研削面に軽く当たるように調整します。
 レバーアームの前後の動きを続け、刃先を研ぐのに必要な分だけ研削します。
 このようにして可動ナイフはせん断刃に研磨され、機械でせん断する際に特別な調整は必要ありません。

図29. 固定ナイフの研磨

 固定ナイフJ4を研磨するには、レバーアーム後部のナイフホルダーK5に、その面取り部M5が砥石の研削面G5と平行になるように挿入し、レバーアームのローレット加工された端部P5を回して、レバーアームをナイフホルダーK5にねじ込み、ナイフを固定します。ナイフの研磨は上記と同様に行います。

図30. 246型ミシンの完全自動潤滑システム 潤滑箇所は黒色で示されています。

ミシン 246-3 ステッチ形成

3本糸タイトステッチ (連邦規格ステッチタイプ #504)

 この種類のステッチは3本の糸で形成されます。1本の糸(図ではAと示されています)のループを生地に通し、そこに2本目の糸(Bと示されています)のループを通します。このB糸のループを生地の端まで伸ばし、そこに3本目の糸(Cと示されています)のループを通します。このC糸のループは、最初にA糸のループが通された生地の表面を前方に運び、A糸の次のループが生地に通される前に、そのループがC糸のループに差し込まれる位置まで移動させます。上記の手順を繰り返して、一連のステッチを形成します。
このステッチは、SINGERミシン246-2でも作成できます。

SINGER 71-30 to 71-47 マニュアル

℔ THE SINGER MANUFACTURING CO.より発刊されたものを当方が文字起こしたマニュアルの一部です。内容の記載に問題がある場合は問い合わせ先より連絡ください。

SINGERユニバーサルパワーテーブルへのミシンの設置方法

 ミシンは通常、操作者から最も近いテーブルの端に向かって、脚部の中間あたりに位置するように設置します。

図2.パワーテーブルの下面図。 低速シャフト駆動用のベルトおよびチェーンガイドを示す。

 チェーンをレバー(B、図16)に接続するための穴を1つ、そしてチェーンを始動レバー(C、図18)に接続するための穴をもう1つ開けます。

 フットペダルチェーンプーリーは4つあります(G、H、J、K、図2)。それぞれブラケットと1つのプーリーで構成されています。これらのプーリーの1つ(K、図2)を、クランプ昇降レバー(B、図16)の真下、左側のフットペダルのチェーン調整スライドと一直線になるように、テーブルの下面に固定します。2つ目のプーリー(H)を、チェーン調整スライドの真上、最初のプーリー(K)と一直線になるように、テーブルの下面に固定します。プーリー(G、図2)を、始動レバー(C、図18)の真下、右側のフットペダルのチェーン調整スライドと一直線になるように、テーブルの下面に固定します。4つ目のプーリー(J、図2)を、右側のフットペダルのチェーン調整スライドの真上、プーリー(G)と一直線になるように、テーブルの下面に固定します。
 左側のフットペダルから1本のチェーンをまっすぐ上に伸ばし、プーリー(H)の上を通ってプーリー(K)の下を通り、テーブルの穴を通してクランプ昇降レバー(B、図16)に固定します。2本目のチェーンを右側のフットペダルからまっすぐ上に伸ばし、プーリー(J)の上を通ってプーリー(G)の下を通り、テーブルの穴を通して始動レバー(C、図18)に固定します。機械を、アイドラブラケット一式(L)の後方にある床またはテーブルのシャフトに取り付けられたプーリーで駆動する場合は、アイドラとアイドラアームは、図3のNに示すように、垂直ロッド穴から最も遠いアームの2つの穴にプーリーを取り付けて組み立ててください。機械を機械後部とテーブル前部の間にあるシャフトから駆動する必要がある場合は、図3のMに示すように、2つのプーリーを垂直ロッド穴に最も近いアームの穴に取り付けて組み立ててください。
 機械駆動プーリーの真下のテーブルに、機械に付属の設計図に示されている位置に従って2つのベルト穴(O、図2)を開け、これらの2つの穴(O)の真下のテーブル下面にベルトアイドラ(L、図2)を取り付けてください。ベルトは、シャフト上のプーリー、アイドラ、テーブルの穴(O)を通って機械上のプーリーにかけます。

SINGER電動モーター付きユニバーサルパワースタンドへの機械の設置

 上記の手順に従ってください。ただし、ベルトアイドラ(L、図3)とアームは図3に示すように組み立てる必要があります。ベルトは、モーターのプーリー、アイドラ、テーブルの穴(O、図3)を通って機械のプーリーにかけます。

図3.テーブル下面図。
クラス71型ミシンの個々のSINGER製電動モーター駆動におけるアイドラー
およびペダルチェーンガイドの位置を示す。

2台の機械を並列運転する場合

図4.テーブル下面図。
アイドラー、ペダルチェーンガイド、および71型ミシンを2台連結して
使用する場合のSINGER製電動トランスミッターモーターの配置を示す。

 2台の機械を並列運転し、テーブルまたは床のシャフトから駆動する場合は、2台の個々の機械と同様にベルトとベルトアイドラを取り付け、チェーンプーリーは機械に付属の設計図に従って取り付けてください。
 2台の機械を並列運転するために1台のモーターを取り付ける場合は、図4に示すように、モーターを2台の機械の中心線の真下に、駆動プーリーをテーブルの前方に向けて取り付けてください。ベルトアイドラプーリー(R、図4)は、図4に示すようにアーム(S)に取り付け、チェーンプーリーは機械に付属の設計図に従って取り付けてください。各ミシンに個別のモーターをペアで使用する場合、テーブルの下にベルトアイドラーは使用されず、モーターはミシンのプーリーの真下に、各ミシンがテーブルに対して設置されているのと同じ角度で配置されます。

 ミシン71-30~71-47用の針は、クラスおよび種類71 x 1(サイズ11、13、14、16、18、19、21)と71 x 3(サイズ11、13、14、16、18)があります。
使用する針のサイズは、針穴をスムーズに通る糸の太さによって決定してください。粗い糸や不均一な糸を使用したり、糸が針穴を通りにくい場合は、ミシンの正常な動作が妨げられます。 針のご注文の際は、必要な数量、サイズ番号、およびクラスと種類番号をXで区切って明記してください。以下は、分かりやすい注文例です。
「100本 No.16、71 x 1 針」
「100本 No.14、71 x 3 針」
最高の縫製結果を得るには、シンガーミシン会社が提供する針を使用することをお勧めします。

71×1 R point
軸1.64mm,エンドから穴まで33.9mm
DLx1,SY1526

パールステッチのボタンホールには、針に右撚りの糸を使用してください。
ウィップステッチのボタンホールには、針に左撚りの糸を使用してください。
ボビンには右撚り、左撚りどちらの糸でも使用できます。

図5

 糸は上記のように持ちます。右手の親指と人差し指の間で糸を自分の方にひねります。左撚りの場合は糸がより強く撚り合わされ、右撚りの場合は撚りがほどけます。
パールステッチのボタンホールには、ボビンよりも針に太い糸を使用してください。例えば、針に30番の綿糸、ボビンに70番または80番の綿糸、あるいは針に40番の綿糸、ボビンに90番または100番の綿糸を使用します。ウィップステッチのボタンホールには、針とボビンに同じ太さの糸を使用してください。

ボビンの取り外し方

 左手の親指と人差し指でミシン台の下に手を伸ばし、人差し指でボビンケースのラッチ(B、図10)を開け、ボビンケースを取り出します。
 ラッチが開いている間は、ボビンはボビンケースに保持されています。ラッチを離し、ボビンケースの開いている方を下に向けると、ボビンが落ちます。

ボビンの巻き方

 ボビンをボビンワインダースピンドルにセットし、スピンドルの小さなピンがボビンの溝に入るように、ボビンを肩の部分にしっかりと押し付けます。
 糸を糸巻き機からミシン上部に取り付けられたテンションブラケットの糸ガイド(1、図6)に通し、テンションディスクの間(2、図6)を通し、糸ガイド(3、図6)を通し、糸端をボビン(4、図6)に数回巻き付け、ボビンワインダープーリーを駆動ベルトに押し付けます。ボビンに十分な糸が巻かれると、ボビンワインダーは自動的に停止します。ミシンで縫製中でもボビンを巻くことができます。

図6

ボビンケースへの糸の通し方

 右手の親指と人差し指でボビンを持ち、糸が下から左から右に向かって出るようにします(図7参照)。左手で図7に示すようにボビンケースを持ち、縁にある溝が上になるようにして、ボビンをその中に入れます。 次に、糸をボビンケースの縁にある溝(図8の1)に通し、糸案内(図9の2)の下、テンションスプリング(図9の3)の下を通し、さらに位置決めピンの穴(図9の4)に通します(図9参照)。

注:71-47型ミシンで使用されているボビンケースの位置決めピンには、アイレット(図9の4)は付いていません。

ボビンケースの取り付け方

 糸を通した後、左手の親指と人差し指でラッチ(図10のB)を持ってボビンケースを持ちます。 ボビンケースをシャトル本体の中央スタッド(図10のA)に置き、位置決めピンがシャトルレース上部の切り欠きと向かい合うようにします。ラッチを放し、ラッチがスタッドの端近くにある溝にカチッと音がするまでボビンケースを押し込みます。

図10.ボビンケースの交換

針の取り付け方

 針棒下端の固定ネジを緩め、針の長い溝が手前を向くように、また針穴がミシンのアームと一直線になるように、針を針棒にできるだけ奥まで差し込み、ネジを締めます。

糸調子の調整

 上糸の張力は、つまみナット(A、図14)で調整します。張力を強くするには、つまみナット(A)を下に回します。張力を弱くするには、つまみナット(A)を上に回します。上糸の張力は、かがり縫いをボタンホールの上面に均一に引き込むのに十分な強さである必要があり、つまみナット(A、図14)のみで調整してください。
 ミシン側面の張力(D、図14)は、かがり縫いバーを作成するための下糸の張力と同じに設定されており、上糸調子を使用するミシンでは変更しないでください。
かがり縫いを行うミシンでは、ミシン側面の張力(D、図14)を調整して、縫い目を生地の端に引き込むようにしてください。
 下糸の張力は、ボビンケースの張力スプリングにあるネジ(A、図8)で調整します。張力を強くするには、ネジを下に回します。張力を弱くするには、ネジを上に回します。
かがり縫いボタンホールの場合は、下糸の張力は弱めにしてください。

アーム上部に糸調子器があるミシンへの糸通し方

図11

 糸巻きから糸を引き出し、ミシン上部の垂直ロッドにある下側の穴(1、図11)に通し、糸案内ガイド(2、図11)を通って、糸通し穴(3、図11)を通し、糸調子皿(4、図11)の間を後ろ側から回し、糸通し穴(5、図11)を通し、糸案内ガイド(6、図12)に通し、糸調子皿(7、図12)の間を下から後ろから前に通し、糸引き上げバネ(8、図12)に通し、糸調子ガイド(9、図12)の下を通し、糸引き上げレバーの先端にある穴(10、図12)を後ろから前に通し、面板の溝(11、図12)に通し、針棒の下端にある穴(12、図12)に通し、針穴(13、図12)を前から後ろに通します。縫い始めるために、針穴から約2インチ(約5cm)の糸を引き出します。

図12

アーム上部に糸調子器がないミシンへの糸通し方

糸巻きから糸を引き出し、ミシン上部の垂直ロッドにある下側の穴(1、図11)に通し、アーム側面にある糸案内ガイド(6、図12)に通し、その後は図12に関する上記の手順に従ってください。

生地をクランプの下にセットしてミシンを始動する方法

 左側のフットペダルを踏み込んでクランプを上げ、ボタンホールの端が手前側になるように生地をクランプの下に置き、クランプを下ろしてから右側のフットペダルを踏み込んでミシンを始動します。

ボタンホール縫製中にミシンを停止する方法

 縫製中にボビンが空になったり、針糸が切れたりした場合は、ミシン台の左端下にあるレバー(G、図14)を内側に押すと、ミシンをすぐに停止できます。ボタンホールがほぼ完成している状態でこの操作を行ってはいけません。ナイフがスロットではなく針板に当たってしまう可能性があるからです。
 この場合は、ミシンの左側にあるレバー(C、図14)を手前に引いてナイフの動作を停止させ、ミシンが自動的に停止するまで運転させてください。次に、手動ラチェット(E、図14)を使ってクランプを動かし、縫製が停止した位置で生地が針の真下にくるように調整します。その後、ミシンを再始動させてボタンホールを完成させてください。

ボタンホールの長さを調整する方法

図13. ボタンホールの長さの調整方法とミシン本体の調整箇所

A. レバーBを固定するナット。
B. ボタンホールの長さを調整するレバー。
C. ボタンホールの長さを設定するゲージ。

 ミシン本体のベッド部分には、スライド(F、図14)で覆われた開口部があります。このスライドを左に引き、ミシンから取り外します。ボタンホールの長さを示す目盛りが付いたゲージ(C、図13)はミシンに付属しています。ナット(A、図13)を緩め、図13に示すようにゲージをスライドウェイにセットします。次に、調整レバー(B、図13)をゲージの下向きに突き出た部分に当て、希望するボタンホールの長さに対応するゲージの目盛りがスライドウェイの線と合うように調整し、ナット(A)を締めます。

図14. ミシン本体の調整箇所

A. 針糸の張力を調整するつまみナット。
B. 針棒とナイフの位置を合わせるネジ。
C. ナイフを動作から外すレバー。
D. 針糸張力調整ディスク。
E. クランプを動かす手動ラチェットレバー。
F. ボタンホールの長さを調整するレバーを覆うスライド。
G. ミシンを停止させるレバー。
H. 切断幅を調整するネジ。
I. ナイフレバー。
J. ナイフバー駆動レバー。
K. ナイフバークランプ。
L. ナイフバー駆動レバースプリング。

ステッチ間隔を調整する方法

 ステッチ間隔は、ミシン本体のベッド下にあるスロット付きレバーに駆動レバーピットマンの端を固定しているつまみナット(B、図18)で調整します。ステッチ間隔を広げるには、つまみナット(B)を緩めて左に動かします。ステッチ間隔を狭めるには、つまみナットを右に動かします。希望するステッチ間隔になったら、つまみナットを締めます。

縫い目の幅を調整する

 縫い目の幅は、機械上部の溝付きリンクにある可動スタッドを固定している蝶ネジ(図15のB)で調整します。縫い目の幅を広げるには、蝶ネジ(B)を緩めてスタッドを溝の中で左に動かします。縫い目の幅を狭めるには、スタッドを溝の中で右に動かします。希望の縫い目幅になったら、蝶ネジをしっかりと締めてください。

切断間隔の調整

 縫い目の間の切断間隔は、ミシン台の溝にあるネジ(図1のH)で調整します。切断間隔を広くするには、このネジを緩めて溝の中で後ろに動かします。切断間隔を狭くするには、ネジを溝の中で手前に動かしてから締め付けます。
 薄地または厚地のいずれの素材でボタンホールを作る場合でも、縫い目は常にナイフの中央に位置するように調整する必要があります。切断間隔の有無にかかわらず、ナイフの中央に縫い目が来るように調整してください。針を正しく位置合わせするには、針板のナイフスリットの調整と針棒の位置合わせに関する以下の手順に従ってください。

針板のナイフスリットの調整

 ナイフが下降してボタンホールを切断する際、ナイフは針板のスリットの中央に正確に位置する必要があります。ナイフがスリットの中央に位置しない場合は、ミシン台の下にあるつまみネジ(図18のA)を緩め、ナイフがスリットの中央に来るまで針板を動かしてから、つまみネジを締め付けます。

針棒とナイフの位置合わせ

 針棒フレームのピットマンは、2本のネジ(図14のB)で調整できます。これらのネジを緩め、ミシンがボタンホールの最初の側面を縫い上げているときに、右側の針先とナイフが正確に一直線になるか、ナイフの左側に切断間隔の半分だけずれるように針棒フレームを動かします。
 ナイフがボタンホールの左側に近すぎる場合は、針棒フレームのピットマンを調整して、針を少し左に移動させるようにします。ナイフがボタンホールの右側に近すぎる場合は、針棒フレームのピットマンを調整して、針を少し右に移動させるようにします。

止め縫い数の調整

図15 止め縫い数調整装置とミシン本体の調整箇所 A. 止め縫い数を調整するつまみネジ B. 縫い幅を調整するつまみネジ

 ミシン上部のプレートには、ミシンが作成できる止め縫い数の範囲に対応する数字が記されています。このプレート上のポインターは、ミシンが現在設定されている止め縫い数を示しています。止め縫いの数を変更するには、つまみネジ(A、図15)を緩め、ポインターを希望する止め縫いの数に対応する位置まで動かしてから、つまみネジを締め直してください。

メスの取り付け方

 ナイフホルダーにある固定ネジ(H、図22)を外し、古いメスを取り外します。新しいメスをホルダーに入れ、できるだけ奥まで押し込み、固定ネジでしっかりと固定します。メスが完全に切断しない場合は、メスの位置を下げてください。メスの先端は針板の上端から約1インチ(約2.5cm)下がるように調整しますが、シャトルに当たらないように注意してください。きれいなボタンホールを作るには、メスを常に鋭利に保つ必要があります(「メス研磨機の使用方法」を参照してください)。

機械への注油

 機械をスムーズに作動させ、可動接触部分の不必要な摩耗を防ぐため、機械には定期的に注油する必要があります。「シンガーミシン会社」が販売している「タイプB」または「タイプD」のオイルを使用してください。これらのオイルの説明は、表紙の内側をご覧ください。オイルは、図16、17、18の矢印で示された箇所に塗布してください。

図16. 機械右側の注油箇所と調整箇所 A. クランプの圧力を調整するつまみネジ。 B. クランプを上げるレバー。
図17. 機械左側の注油箇所

 ベッドの下にある部品にアクセスするには、ヒンジ付きスプラッシュガードの下部と背面にある蝶ナットを緩め、ガードを後ろに倒し、機械のプーリーからベルトを外し、機械をヒンジで後ろに倒します。注油箇所は図18に示されています。シャトルベアリングには1日2回注油してください(図20参照)。ネジ(G、図17)を取り外し、ネジ穴を通してプーリーのボールベアリングに少量のボールベアリング潤滑剤を塗布し、その後ネジ(G)を元に戻します。「シンガーミシン会社」が販売している「ボールベアリング潤滑剤」を使用してください。

図18. 機械ベースの注油箇所および機械の調整箇所
A. 針板の切り込みをナイフの下に合わせるためのつまみネジ。
B. ステッチ間の距離を調整するつまみナット。
C. 機械を始動するレバー。

調整担当者および機械工向けの手順

針棒を正しい高さに設定する

図19. 針棒の正しい高さを示す図 15/32″ = 11.91mm

 機械の駆動プーリーを回して、針棒が最も低い位置まで下がるようにします。針棒がこの位置にあるとき、針棒の下端は図19に示すように、針板の上面から約15/32インチ(11.91mm)上にある必要があります。針棒が正しい高さに設定されていない場合は、針棒を接続スタッド(M、図19)に固定しているネジを緩めてください。 (このネジは、針棒が最も低い位置にあるときに、アームに設けられた専用の穴からドライバーを差し込むことでアクセスできます。)ネジを緩めた後、針棒を連結スタッド内で上下に動かし、上記の手順に従って正しい高さに調整してから、針棒連結スタッドのネジをしっかりと締めてください。

シャトルのタイミング調整

図20. シャトルが正しくタイミング調整された状態

 ミシンの駆動プーリーを回し、左側の針棒が最下点まで下がり、そこから約1/10インチ(2.54mm)上昇した位置になるまで動かします。針棒がこの位置にあるとき、シャトルの先端は針の中央に位置し、針穴はシャトルの先端から約1/16 (1.5875mm)インチ下にある必要があります(図20のR参照)。シャトルの正しいタイミング調整は、シャトルクランクの上側のネジ(図21のS)をシャトルシャフトの平らな部分にしっかりと締め付け、次に他のネジを締めることで行います。

図21. シャトルクランクと送り歯の作動点

糸押さえの調整

 糸押さえ(図29のXX)は、糸に非常に軽い張力がかかるように調整する必要があります。張力は、糸引き上げバネを前方に保持するのに十分な強さである必要があります。糸押さえを調整するには、側面にあるネジを緩め、必要に応じて糸押さえを上下に動かし、その後、固定ネジをしっかりと締めます。

糸引き上げバネの調整

 糸引き上げバネ(図19のO)の張力は、針穴が下降中に生地に到達するまで、針糸のたるみを解消するのに十分な強さである必要があります。糸引き上げバネの張力は、張力調整ネジ(図19のN)を右に回すと張力が増加し、左に回すと張力が減少するように調整します。

ナイフバーの調整方法

 スタートレバー(EE、図23)をストップカムから外れるまで前方に引き出し、ナイフレバー(1、図14)を押し下げて、ナイフバー駆動レバー(J、図14)の後端にあるスタッドが、連結リンクのスロット上端に当たるように保持します(図14のK参照)。ナイフバークランプ(L、図19)のネジを緩め、ナイフバーの上部とナイフバーストップ上部の内側との間に約1/64インチの隙間ができるようにナイフバーを調整し、ナイフバークランプのネジをしっかりと締めます。
ナイフバー駆動レバースプリング(L、図14)の張力は、ナイフバーを上昇位置に保持するのに十分な強さである必要があります。このスプリングの張力が強すぎると、ナイフバーがナイフバーストップを破損するほどの力で動作する可能性があります。

図22. ナイフホルダーの正しい調整方法

ナイフのタイミング調整方法

 ナイフトリップカラー(V、図23)23467は、ミシンが2回目のバー縫いを始める直前にキャッチ(U、図23)23464を作動させるようにタイミングを調整する必要があります。これにより、バー縫いが完了したときにナイフがボタンホールをカットします。ナイフトリップカラー(V)のタイミングが正しくない場合は、カラーを直立シャフトに固定している2本の止めネジを緩め、上記の手順に従ってカラーを必要な位置に回し、2本の止めネジをしっかりと締めます。

図23. 上糸トリマー作動機構

送り歯車トリップポイントのタイミング調整方法

 送り歯車トリップポイント(T、図21)は、ナイフがボタンホールをカットするために下降する前に、クランプスライドが右方向への移動を完了するように設定する必要があります。クランプスライドが適切なタイミングで右方向への移動を完了しない場合は、トリップポイント(T)を固定している2本の止めネジを緩め、トリップポイントを前方に移動させてクランプスライドの右方向への移動を早く停止させるか、後方に移動させて遅く停止させます。送り歯車トリップポイントのタイミングが正しく調整されたら、2本の止めネジをしっかりと締めます。

上糸切り装置のタイミング調整

 上糸切り装置は、ボタンホールが縫製された直後に糸を切断するようにタイミングを調整する必要があります。上糸切り装置のタイミングが正しくない場合は、ストップカムインターロックロッドがストップカムの最高点(GG、図24)に乗るまで、ミシンの駆動プーリーを回してください。この位置にあるとき、ロックピン(HIH、図24)40052は、図24に示すように、ストップカムインターロックロッドガイド(JJ、図24)23514から1/8インチ上にある必要があります。そうでない場合は、テンションリリーバーレバーのロックナット(KK、図24)を緩め、必要に応じて調整ネジ(LL、図24)を締めたり緩めたりしてから、ロックナット(KK)をしっかりと締めてください。

図24. 上糸切り装置のタイミング調整

 ミシンが作動しているとき、上糸切りレバーシャフトクランク(Y、図23)39612は、ラッチ(X、図23)40057が糸切りコネクティングロッド(W、図23)39610にわずかな遊び(約1/8インチ)をもって接するように設定する必要があります。ラッチ(X)の適切な横方向の遊びは、カッティングレバークランクにある2本の止めネジ(Z、図23)を緩め、必要に応じてクランクを上下に動かすことで調整できます。クランク(Y、図23)をシャフト上で前後方向に動かさないように注意してください(29ページの調整を参照)。調整後、2本の止めネジ(Z)をしっかりと締めてください。

上糸切り装置の取り外しと取り付け

 接続ロッドからネジ(OO、図25)を取り外し、2本のクランプアームネジ(MM、図25)を取り外してから、クランプチェックを機械から取り外します。クランプチェックの下面にある、クランプブレードとトリミングブレードを固定しているネジ(RR、図26)を取り外し、ブレードを取り外します。
 ブレードを交換する際は、まずクランプブレード(PP、図26)をクランプチェックの横に配置し、次にトリミングブレード(QQ、図26)を取り付け、ネジ(RR)で両方のブレードをしっかりと固定します。このとき、図26に示すように、クランプブレードがトリミングブレードより約1インチ前方に位置するように注意してください。次に、3本のネジ(OOとMM、図25)を使用してクランプチェックを機械に固定します。

図25. 調整方法

上糸トリマー

 クランプチェックが機械に固定されている場合、トリミングブレードの後端はクランプチェックの開口部の前端と面一になっている必要があります。この位置にトリミングブレードを調整するには、2本のネジ(AA、図23)を緩め、必要に応じてクランプアームを前後に動かしてから、2本のネジ(AA)をしっかりと締めます。

図26. 上糸トリミングブレードと
クランプブレード

 トリミングブレードを切断位置に移動させる際は、ボタンホールの仕上げ側の内側スローで針がNN(図25)に示すように1/2インチ離れている必要があります。このクリアランスは、2本の止めネジ(7、図23)を緩め、カッティングレバークランク(Y、図23)39612を前方に動かすとクリアランスが増え、後方に動かすとクリアランスが減ります。調整後、2本の止めネジ(Z)をしっかりと締めます。

下糸トリマーの取り外しと交換

 機械をヒンジで裏返し、ベッドの下面にある下糸トリミングブレードを固定している2本のネジ(Q、図20)を取り外し、トリミングブレードを取り外します。新しいトリミングブレードを図20に示すように、刃先が下糸引き出し指と針板の間になるように配置し、2本のネジを取り付けます。トリミングブレードをできるだけ下まで下げてまっすぐに調整し、2本のネジ(Q)でしっかりと固定します。

ストップカムスプリングの取り外しと交換

 タイトプーリー内に収められているストップカムスプリングが破損した場合は、以下の手順で取り外して新しいスプリングに交換できます。
破損したスプリングを取り外すには、ミシンが通常の停止位置にあることを確認してください。アームシャフト端の大きなネジを外し、ルーズプーリーを取り外します。スプリングカバーのテーパーヘッドネジを外し、カバーをタイトプーリーから取り外してから、破損したスプリングを取り外します。
 新しいスプリングを取り付けるには、まず長い方のスプリングをタイトプーリーに挿入します。短い方のスプリングの取り付けを容易にするために、専用レンチ39978(SS、図27)の使用をお勧めします。このレンチは、ご注文に応じて別途料金でご提供いたします。図27に示すように、レンチのスタッドがプーリーの穴に入るように、レンチをタイトプーリーに取り付けます。次に、レンチでプーリーをできるだけ後ろに引くと、長い方のスプリングが圧縮されるので、短い方のスプリングをプーリーに簡単に取り付けることができます。その後、レンチを取り外します。
 スプリングを交換したら、シンガー高速潤滑油でグリースを塗布してください。これにより、スプリングの寿命が延びます。次に、位置決めピンを穴に合わせてスプリングカバーを取り付け、テーパーヘッドネジでしっかりと固定します。ルーズプーリーを取り付け、シャフト端の大きなネジをしっかりと締めます。

図27. ストップカムスプリングの交換

ストップモーションインターロッキングロッドの張力調整

 ストップモーションインターロッキングロッド(FF、図23)の張力は、このロッドがストップカムの切り欠きから飛び出さないようにするのに十分な強さで、かつミシンを停止させる際にアームシャフトの動きを遅くするのに十分な強さである必要があります。これにより、ストップカムスプリングの破損を最小限に抑えることができます。厚手の生地にボタンホールを作る場合は、インターロッキングロッドの張力を弱める必要がある場合があります。そのためには、ロックナット(TT、図27)を緩め、ネジ(UU、図27)を回して希望の張力になるまで調整し、その後ロックナットをしっかりと締めてください。
 薄手の生地にボタンホールを作る場合は、ネジ(UU)を回して希望の張力になるまで調整することで、インターロッキングロッド(FF)の張力を強くする必要がある場合があります。

クランプ昇降アーム接続部の調整

 クランプ昇降アーム接続ローラー(CC、図23)は、クランプチェックが針板に接しているときに、クランプアーム(BB、図23)にわずかに接触しないように調整する必要があります。ローラーは、クランプ昇降アーム接続部の背面にある調整ネジ(DD、図23)を緩めることで、必要に応じて上下に調整できます。ローラーが適切な高さに設定されたら、調整ネジ(DD)をしっかりと締めてください。クランプが生地に接しているときに、糸引き出しフィンガー40039(図20)が下降する針と一直線にならないように、ローラーを高く調整しすぎないように注意してください。

バーリングカムの設定

 バーリングカム(WW、図28)を設定する必要がある場合は、カム側面のマークが直立シャフトのマークと一直線になるようにすることで、カムの正しい位置を確認できます。

図28. バーリングカムと直立シャフトのタイミングマークを示す図

バーリングトリッピング機構のタイミング調整

 バーリングステッチの数は、オペレーターの意思で2~18ステッチまで変更できます。
バーリングトリッピング機構を調整およびタイミング調整するには、バーリングステッチインジケーター(C3、図29)を図29に示すように数字の6に設定し、始動レバー(EE、図23)を前方に引き、ミシン駆動プーリーを手で左に回して、針棒フレームレギュレーター(B3、図29)が前進ストロークの終端に達するまで回します。次に、ハンドラチェット(E、図14)を使用してミシンをラチェット操作し、バーリングレバー(VV、図28)がバーリングカム(WW、図28)に落ち込むまで回します。

図29. バーリングトリッピング機構のタイミング調整を示す図

 この位置から、駆動プーリーを左に回すと、ミシンは5つのバーリングステッチを行います。5番目のバーリングステッチを行った後、針棒フレームレギュレーター(B3、図29)が前進ストローク全体の約3分の2まで前進するまで、駆動プーリーをゆっくりと回し続けます。この位置にあるとき、ロッキングラチェットホイールのトリップポイント(YY、図29)23367は、ロッキングトリップレバー(ZZ、図29)23370に接触し、このレバーを前方に押し出すことで、ロッキングレバーキャッチ(D3、図29)23564を解除し、ロッキング機構を解除します。その後、ニードルバーフレームレギュレーター(B3)は、残りの3分の1の前方移動を完了します。
 トリップポイント(YY)が上記の手順どおりにロッキングトリップレバー(ZZ)を適切なタイミングで解除しない場合は、ネジ(A3、図29)を緩め、必要に応じてトリップポイント(YY)を前後に移動させ、その後、ネジ(A3)をしっかりと締めてください。

送り偏心カムのタイミング調整

図30. 送り偏心カム

 送り偏心カム(E3、図30)は、ニードルバーの上昇ストローク時に、針先が針板から1/8インチ上にあるときにワーククランプが送り動作を開始するようにタイミングを調整する必要があります。クランプの送り動作が早すぎる場合は、送り偏心カム(E3)のネジを緩め、カムを下向きに回してください。クランプの送り動作が遅すぎる場合は、カムを上向きに回してください。送り偏心カムのタイミングが正しく調整されたら、固定ネジをしっかりと締めてください。

送りクラッチの組み立て

 送りクラッチを分解する必要がある場合は、まず各ローラー、スプリング、およびスプリングガイドピンを個別に外し、その後、クラッチローラーキャリアをクラッチディスクから取り外してください。
 組み立てるには、クラッチローラースプリング255096とスプリングガイドピン255097をクラッチローラーキャリア249549に挿入します(これらのスプリングとピンに少量のグリースを塗布すると、所定の位置に保持しやすくなります)。ローラーキャリアを送りホイールのハブに取り付けます。


注意:ローラーキャリア249549は、図に示す位置に取り付ける必要があります。そうしないと、クラッチが正しい方向に送りをしません。

図31. クラッチローラーキャリアの組み立て

 小型ドライバーを使用して、ガイドピンを押し戻し、ローラー201897を所定の位置に差し込みます。ローラーキャリアのスロットに給油フェルト249550を挿入し、油を十分に染み込ませます。送り車駆動レバー249551を3本のネジ1854でローラーキャリアに取り付け、フェルトワッシャー249558を挿入し、駆動レバープレート249557をネジ52cで送り車シャフトに取り付けます。このネジはできるだけしっかりと締めてください。

ナイフ研磨機701w51の使用方法

図32. ナイフ研磨機701w51

 研磨機は、ナイフから離れる方向に約2500回転/分の速度で回転するように設定してください。ナイフを図のようにホルダーに固定し、クランプネジ「D」をしっかりと締めます。研磨機上でナイフを正しい角度に設定するには、次のページのリストを参照して、タレット「E」上の文字「A」、「B」、または「C」のいずれかをポインター「F」に合わせ、ナイフの刃先が水平になるようにしてから、ネジ「G」を締めます。
 研磨機を始動し、調整ネジ「II」を回してナイフの刃先を調整し、スライドブラケット「J」を左右に1回動かしながら、刃先が研磨砥石にわずかに触れる程度にします。通常は、ごく少量だけ研磨すれば十分です。一度に刃先を研磨しすぎると、ナイフの焼き戻しが過度になり、使用に適さないほど柔らかくなる可能性があります。
ナイフの片側を研磨したら、ナイフストッパー「L」をナイフの下端に当て、ネジ「K」をしっかりと締めます。ナイフを取り外し、研磨していない側を下にして再び取り付け、ネジ「D」を締め直します。次に、反転させたナイフの角度に合わせてタレット「E」の位置を変更する必要があります。タレットが「A」に設定されている場合は、もう一方の「A」に移動します。「B」の場合はもう一方の「B」に、「C」の場合はもう一方の「C」に移動します。タレットを正しい位置に移動させたら、ネジ「G」でしっかりと固定してください。ナイフがストッパーにしっかりと固定され、タレットが適切にセットされていることを確認し、両側に均等な角度で、刃先が中央になるように適切な面取りが行われるように注意してください。
 ナイフを研磨した後は、オイルストーンで軽く研いでください。
 研磨機に注油するには、カバー「M」を横にずらし、露出した2つの注油口にオイルを注入してください。

関係各位:

 シンガー社工場またはシンガー社認定代理店以外で修理、改造、再調整、または何らかの変更が加えられた機械に、商標「SINGER」またはシンガー・マニュファクチャリング・カンパニーのその他の商標(すべて正式に登録された商標です)を不適切に表示または貼り付けることは禁止されています。

MERROW Class A / SETTING UP AND OPERATING 1953

このページは、The Merrow Machine Company によって作られたミシンの説明書です。このミシンを使うにあたっての覚書として和訳したものです。

はじめに


本書には、メロークラスAオーバーシーム、オーバーエッジング、ヘミングマシンの設定と操作方法、および各部品の位置を示す図が掲載されています。
クラスAマシンには、オーバーシームとトリミングを同時に行うマシンがあり、1本糸オーバーシーム、2本糸オーバーシームまたは仕上げ、3本糸オーバーシームまたは仕上げ、または3本糸タイトニードルスレッドシームを形成します。
また、クラス60オーバーシーム、オーバーエッジング、バットシーム、ヘミングマシン、プレーンクロッシェマシン、ブランケットヘミングマシン、シェルステッチクロッシェマシンなど、世界中のメーカーに長年にわたり好評を博している他のクラスのマシンも製造しています。メロークラスAオーバーシームで一般的に使用される多くの部品の詳細なリストを掲載した書籍をご希望の方は、お申し込みください。

ご注文方法


当社では、工場出荷時に各種ミシンに搭載されている各部品の型番を記録しており、部品名、ミシンのスタイル、シリアル番号をお知らせいただければ、複製品をご提供いたします。多数の部品の中から必要な部品がどれなのか判断できない場合は、部品名(2ページ目と3ページの図を参照)と、その部品をご希望のミシンのスタイルとシリアル番号をお知らせください。適切な部品を選定いたします。
ニードルプレートをご注文の際は、ご希望の仕上げ幅、長針・短針、使用する針のサイズをご指定ください。すべてのニードルプレートの部品番号は、プレートの裏面に刻印されています。ルーパーをご注文の際は、上糸か下糸か、2本糸か3本糸かをご指定ください。ミシンのスタイルとシリアル番号をお知らせください。部品番号は、すべてのルーパーの針尻近くのシャンクに刻印されています。
差動送り機構を備えた機械の送り機構部品を注文する際は、部品が前送り用か後送り用かを指定する必要があります。ほとんどの部品には文字または数字が刻印されています。重複して注文する場合は、部品名と刻印されている文字または数字をお知らせください。部品名を明記せずに、特定の部品に刻印されているだけでは十分な情報とは言えません。

マシンのセットアップ

1 マシンを箱から取り出したら、ネジ山をよく観察し、付属のネジ山図と比較してください。このネジ山図は、今後の参考のために保管してください。ネジ山の調整は非常に重要であり、作業に困難が生じた場合は、付属のネジ山図と照らし合わせてください。ネジ山の調整は簡単ですが、正確でなければなりません。
2 マシンをテーブルに固定します。付属のフェルトパッドの上にマシンを置き、付属のネジを使用します。マシンのハンドホイールはオペレーターの右側に配置し、マシンのベース前端はトランスミッターの中心線と平行になり、テーブルの前面から4~5インチ後方に配置されます。
3 注文時にVベルトハンドホイールが指定されていない限り、直径1/4インチ、太い、または直径5/16インチの丸革ベルトを使用したハンドホイールが付属します。トランスミッターからメローマシンまでのベルトが約30°の角度になるように、トランスミッターをテーブルの下に十分奥まで設置してください。
4 メローマシンのハンドホイールの上部は、操作者とは反対側を向いている必要があります。
5 糸立てを組み立て、そのベースをマシン背面のテーブルにねじ止めします。
6 糸立て上部の糸ガイドは、糸の円錐の中心の真上に来るようにする必要があります。
7 糸、毛糸、絹、またはレーヨンは、垂直に立てられた円錐に巻き付けます。これらの円錐からの糸は、糸立て上部まで伸び、そこから斜め下に向かってマシンに向かって伸びます。マシンの高速運転時に糸が絡み合わないよう、糸同士の間隔を十分に空けてください。
8 糸が円錐から容易に、均一な張力で抜けること、また円錐の下に引っかかったり、その他の理由で糸が抜けないことを確認してください。
9 各マシンにはオイルドレンが付属しています。セットアップするには、メローマシンフレームの下部にあるテーパープラグを取り外し、マシンに付属のオイルドレンパイプを挿入します。テーブルの上部に穴を開け、そこからオイル排出パイプを通します。オイル収集瓶と支柱は、オイル排出パイプの下、テーブルの下側に固定します。

速度


1  メロークラスAミシンは高速運転するように設計されており、多くのミシンが状況に応じて毎分4000~5000針で稼働しています。毎分5000針でも効率的に処理できる作業もありますが、多くの作業では毎分4500針の速度で最大効率が得られることが分かっています。
2  ミシンはそれほど手入れをしなくても問題なく稼働しますが、適切な注意を払うことでより良い結果が得られます。ミシンには丁寧に注油し、針キャリア、送り歯、ルーパー機構、そして排油チューブの周りの糸くずをきれいにしてください。排油チューブは、ミシン背面の開口部から清掃できます。

トランスミッター


機械の始動・停止の遅延を最小限に抑え、最大限の効率を得るには、トランスミッション装置を良好な動作状態に維持する必要があります。トランスミッション装置の配置にあたっては、大きなプーリーから比較的小さなプーリーへ、中心が近いプーリーへの駆動は避けてください。このような配置はベルトの滑りを過度に増加させ、メローマシンの始動・停止速度を著しく低下させるためです。

潤滑


1 メロークラスAマシンのベアリングは、高速性と耐久性を確保するために密着して取り付けられており、特に新品時は適切に給油する必要があります。100°F(華氏100度)でセイボルト粘度が約200の良質スピンドルオイルを使用してください。機械が十分に慣らし運転された後は、やや粘度の高いオイルを使用できます。お客様からは、良質なSAE 20粘度の自動車用オイルを使用することで良好な結果が得られたとの報告があります。いわゆる「ステンレス」オイルは、この用途には推奨しません。
2 ミシンのフレームキャップのすぐ上にあるサイトフィードオイラーは、このアセンブリの高速で動く内部部品にオイルを供給し、ミシンの他の部品には供給しません。このオイラーのニードルバルブは、オイルが満タンの状態で3~4時間持続するように設定する必要があります。ミシンに備えられている他のすべてのオイル穴にも、状況に応じて3時間ごとにオイルを注入する必要があります。これらのオイル穴は、上下のシャフトの両端、ニードルキャリア、押さえ足、送り機構、送り偏心装置にオイルを供給します。


1 針をニードルキャリアにセットし、針のシャンクの先端がニードルキャリア後部のストップピンに接触するようにします。付属のソケットレンチでニードルクランプナットをしっかりと締め付けますが、締め過ぎにはご注意ください。ニードルクランプナットの斜面部分は、ニードルクランプカラーに設けられたニードルクランプナット用の凹部に接する必要があります。
2 作業内容に応じて可能な限り大きな針を使用してください。ただし、ニードルプレートのニードルスロットが針に十分な大きさであることを確認してください。
3 クラスAミシンの全機種で使用される、サイズ番号と文字「D」が刻印されたセルフセッティング針は、以下のサイズで製造されています。GOOD、GOD、GD、ID、2D、3D、4D、5D、8Dで、GGGDが最も細いサイズです。上記のサイズの一部には、特殊用途向けの特殊針も用意されています。

ニードルキャリア


ニードルキャリアは、スタッド上で完全に自由にスイングできる必要がありますが、横方向の動きがあってはなりません。この調整は、まずニードルキャリアスタッドの止めネジを緩めることによって行います。この止めネジは、ミシンのフレーム内、ニードルキャリアスタッドの中心のすぐ後ろに位置し、ミシン背面の外側からアクセスできます。(4ページ参照) このネジを一度でも緩め忘れると、ミシンのフレームのネジ穴が損傷する可能性があります。止めネジを緩めた後に調整するには、ニードルキャリアスタッドをわずかに内側または外側に回して適切な調整が得られたら、ニードルキャリアスタッドの止めネジを締めます。

ニードルプレート


1, 3本糸仕上げや縫い目には通常、希望するステッチ幅のチェインフィンガーを備え、かつ、生地がミシンに送られる際に2~3針がフィンガーに保持されるのに十分な長さのニードルプレートが必要です。
2. 2本糸端仕上げや縫い目には通常、非常に短い、または「スタブ」フィンガーを備えたニードルプレートが必要です。このような針板を使用する場合、チェーニングフィンガーは押え金と押え金フィンガーの一部に固定されます。
3 . 針板の針溝は、針の刃が針板に接触することなく自由に通過できる大きさでなければなりません。この溝の縁は直角でありながら滑らかで、わずかに丸みを帯びている必要があります。チェーニングフィンガーまたは針板の作業面に、凹凸やざらざらした部分がないことを確認してください。
4. 薄い「柔らかい」生地に使用する針板の作業面は、差動送り動作をほとんど必要としないため、波型であってはなりません。

下ルーパー


1. 下ルーパーはほぼ自動的にセットされるようになっていますが、針と正しく連動させるには若干の曲げが必要になる場合があります。下ルーパーは、上ルーパーをミシンにセットする前、および前述のように針を正しくセットした後にセット・調整するのが最適です。ルーパーをセットする準備として、押さえ金を所定の位置から回し、針板、糸通し管、送り歯、防塵カバーを取り外してアクセスできるようにします。下ルーパーをセットするには、下ルーパーキャリアの止めネジを緩め、ミシンのハンドホイールを回して、下ルーパーキャリアの上部が最も右側の位置に近づきます。次に、下ルーパーの先端をキャリアに挿入し、できるだけ奥まで押し込みます。次に、止めネジを下ルーパーの平面に締め付けます。ミシンのハンドホイールを手でゆっくり回し、下ルーパーと針の関係を確認します。針は下降時に、直角曲げ部付近の下ルーパーのシャンクに軽く、しかし過度に接触しないようにする必要があります。この確認と調整を行った後、針が上昇を開始し、下ルーパーの先端が針を通過するまで、ミシンを手で回し続けます。
下ルーパーの先端は針に軽く、しかししっかりと接触する必要がありますが、針を曲げてはなりません。必要に応じて、ルーパーをわずかに曲げて調整してください。
2 . ルーパーを曲げる必要がある場合は、必ず希望する方向に少し曲げてから、ルーパーを元の位置に戻してください。そうしないと、使用中にルーパーが徐々に元の位置に戻ってしまいます。
3. ルーパーを曲げたり曲げたりする場合は、必ず表面が滑らかなペンチを使用してください。下ルーパーの調整が細かい場合は、ルーパーをミシンから取り外し、滑らかなジョーのバイスで固定し、滑らかなジョーのペンチで曲げてください。
4. 調整後は、必ず下ルーパーの止めネジが適切に締められていることを確認してください。

上ルーパー


上ルーパーはほぼ自動的にセットされますが、下ルーパーおよび針板上の針と適切に連動させるために、曲げる必要がある場合があります。これらのルーパーには、2本糸縫い用と3本糸縫い用の2つの一般的な形状があります。2種類のルーパーの一般的な調整方法は同様です。下ルーパーをセットした後、上ルーパーを上ルーパーキャリアに挿入し、フレームキャップの前面中央部分の開口部の左端からアクセスできる止めネジで固定します。上ルーパーをキャリアに完全に押し込んだ後、この止めネジを上ルーパーに設けられた平面に締め付けます。ミシンを手でゆっくりと回転させます。上ルーパーの先端は、下ルーパーの針穴のすぐ後ろにある下ルーパーの凹部を通過する必要がありますが、先端が下ルーパーのこの凹部の底に実際に接触してはいけません。上ルーパーの前面は、上記の凹部の右側にある下ルーパーの針穴の周りの膨らみを通過する必要があります。この調整を行った後、ミシンをゆっくりと回し、上ルーパーと針の調整状態を確認します。上ルーパーは針に当たらないようにし、針先がルーパーの裏側、つまりルーパーの穴または針穴のすぐ右側に設けられたくぼみを通過するようにします。この調整を行うには、必要に応じてルーパーを上下に動かします。ルーパーを曲げる必要がある場合は、前のセクションの下ルーパーの説明に従って操作してください。

フレームキャップ


フレームキャップを取り外すには、ダストシールドと上下のルーパーを取り外し、ミシンを回転させて下ルーパーキャリアを右端の位置まで移動させ、フレームキャップを固定している4本のネジ(上2本、下2本)を外します。フレームキャップは作業者側に引いてミシンから簡単に取り外すことができます。組み立て直すには、カムロールを上下のキャリアに所定の位置に取り付け、オイルを塗布します。ハンドホイールを回し、下カムの左側の溝を確認します。溝の右端が作業者側を向いた状態で下カムを止めます。フレームキャップは取り外した位置まで持ち上げることができます。

下ルーパーキャリア


下ルーパーキャリアは、フレームキャップの左下隅にねじ込まれたテーパースタッドで支持されており、フレームキャップの外側にあるナットで固定されています。キャリアはテーパースタッド上で完全に自由にスイングでき、かつ横方向の動きがほとんどないことが求められます。調整は、まずテーパースタッドを固定しているナットを緩めて、スタッドが回転できる程度に締めます。スタッドを必要な方向に少しだけ回し、固定ナットを締め直します。下側のルーパーキャリアは、締めすぎるよりも少し緩めておく方が望ましいです。

上フーパーキャリア、上フーパーキャリアブロックおよび
上フーパーキャリアガイド


1 . 上ルーパーキャリアは上ルーパーキャリアブロックに枢動固定されており、アセンブリはどちらの方向にも完全に自由にストローク移動でき、かつロストモーションがほとんどないことが求められます。上ルーパーキャリアブロックは上下端が面取りされており、フレームキャップの内側に固定された上部ギブと下部ギブの間をガイドされながら移動します。下部ギブは固定されており、上部ギブは、ジブキーのスロット穴にねじ込まれたネジでフレームキャップに固定された上部ギブキーによって調整可能です。この調整を行う際は、ストロークのどの部分でも上ルーパーキャリアブロックを挟んだり、拘束したりしないように注意してください。この調整は、締めすぎず、やや緩めに行うのが望ましいです。両端がミシン内部のフレームキャップアセンブリにしっかりと固定された上ルーパーキャリアガイドは、上ルーパーキャリアの前後ストロークを拘束し、横方向の動きを制限する役割を果たします。
2. この上部ルーパーキャリアガイドの支持点の下には、長方形のシムと円形のシムが設けられています。これらのシムには両方とも、厚さを1000分の1インチ単位で示す数字が刻印されています。必要に応じて、1000分の1インチ厚または1000分の1インチ薄いシムをどちらのタイプでも取り付けることができます。ルーパーキャリアガイドを調整する際には、ガイドがしっかりと固定されたときに、ガイドと上部ルーパーキャリアの間に約1000分の2インチの均一な隙間ができるように、両端に適切なシムを設ける必要があります。
3. 上記の上部ルーパーキャリアブロックと上部ルーパーキャリアガイドの調整は工場で行われ、事故やオイル不足による部品の損傷がない限り、ほとんどの機械は4~5年間再調整なしで稼働します。
4. 上部ルーパーキャリアの両端のスタッドには、カム溝内を移動するカムロールが取り付けられています。上部ルーパーに過度の垂直方向の緩みがある場合、これらのカム ロールを交換する必要がある可能性があります。これは、フレーム キャップを取り外すだけで簡単に実行できます。

押さえ金と押さえフィンガー


ほとんどのミシンには、中央ヒンジの押さえ金が標準装備されています。これは、縫い目や厚手と薄手が交差する箇所の縫い合わせや縁取りに便利です。これらの押さえ金はシャンクに固定されており、押さえ金ラッチを上げるとシャンクが片側にスライドし、針やルーパーへのアクセスが容易になります。特殊な用途向けに、固定式と後部ヒンジ式の押さえ金も用意されています。押さえには、針の右端を保護する「調節可能な押さえフィンガー」が付いており、針に隣接する押さえフィンガーの左端が針板のスロットの右端をちょうど覆うように調整する必要があります。ミシンにチェーンフィンガー付きの針板が装備されている場合は、「スタブ」または短い押さえフィンガーが使用されます。ミシンにスタブまたは短いチェーンフィンガー付きの針板が装備されている場合は、長い押さえフィンガーが使用されます。通常、押さえには可能な限り小さな圧力をかけます。圧力の程度は、ミシンのヘッド上部にある押さえバネ調整ネジで調整できます。このネジは、ヘッド上部の右側にある小さなセットネジで調整されます。

上カッターと下カッター


1 . 下カッターは下カッタークランプによって下カッターホルダーに固定されています。クランプナットは下カッターホルダーの左側からアクセスできます。カッターの刃先は針板上面よりわずかに上になるように設定する必要がありますが、押さえ足の下面に接触するほど高く設定しないでください。上カッターは上カッタークランプとネジによって上カッターホルダーに固定されており、その中で斜めに調整可能です。上カッターが最も低い位置にあるとき、刃先が下カッターの上端よりわずかに下になるように設定してください。両方のカッターがしっかりと固定されていることを確認し、ミシンを手で裏返してください。上カッター後部の突起部は常に下カッターに接触している必要があります。
2 . カッターをセットするときは、生地が、糸が形成されるチェーニング フィンガーの部分の幅とほぼ同じ幅にトリミングされるように、右または左に設定する必要があります。ほとんどのクラス A マシンには、上部カッターと下部カッターの間に均一な圧力を維持するためのスプリングが付いた下部カッター ホルダーが備えられています。この下部カッター ホルダーにはクランプ装置も備えられており、下部カッター ホルダー サポートの前部にある簡単にアクセスできるネジで締めます。特定の重い作業では、この下部カッター ホルダーのクランプ ネジを締めることが望ましい場合があります。下部カッターを上部カッターに強く押し付けすぎないように注意してください。スプリングによって通常得られる圧力よりも強い圧力が必要な場合は、通常、カッターが鈍くなっていることを示すため、研ぐ必要があります。

送り歯


1. 送り歯には、作業内容に応じて、細目歯または粗目歯、単列または複列歯のいずれかが備えられています。一般的に、送り歯は可能な限り低く設定する必要があります。送り長さは、下軸の左端に固定されている送り偏心輪を取り外し、異なる送り量の送り偏心輪に交換することで変更できます。送り偏心輪には、布端で1インチあたりに生産されるステッチ数の目安となる目盛りが付いています。
2 . 送り歯と針板は互いに一致している必要があり、1インチあたりのステッチ数が非常に少ない場合は、針板との干渉を防ぐために送り歯を交換する必要がある場合があります。
3 . 様式表示に「D」の文字で示されるミシンには、差動送りまたはギャザー送りが搭載されています。差動送りには、それぞれ独立した送りキャリアと送り偏心輪を備えた2つの独立した送り歯が含まれています。縫い合わせや端仕上げの際に布端が伸びたり長くなったりするのを防ぎたい場合は、前方送り歯を後方送り歯よりも大きく動かすために、後方送り歯よりも送り偏心輪を大きく動かします。ほとんどの場合、わずかな差で十分であり、各送り偏心輪の数と2つの送り偏心輪の差は、1インチあたりに必要なステッチ数と布地自体の伸縮性によって決まります。一部のミシンには、送り歯の横方向の動きを防ぐための送り安定装置が装備されています。安定ネジは、送りキャリアがあらゆる位置で完全に自由になるように調整する必要があります。

糸通しワイヤー


1 . ルーパー糸に糸を通す際は、ミシンに付属の糸通しワイヤーを使用すると便利です。ワイヤーの一端には、糸を受けるためのループが設けられています。糸通しワイヤーの反対側の端を糸通し穴またはチューブに通し、糸をワイヤーとともに引っ張ります。
2 . 3本糸ミシンの上ルーパー糸に糸を通す際は、糸通しワイヤーを比較的大きな円弧状に曲げてからダストシールドのチューブに通すのが望ましいです。チューブに通した後、ワイヤーの先端が針板の上、上ルーパーの前方に出てくるため、ワイヤーを掴んで糸をワイヤーとともに引っ張ることができます。

フィードキャリアスタビライザースクリューセットスクリュー


スタビライザースクリューを調整する前に、このセットスクリューを緩めてください。スタビライザースクリューの調整後は、必ずセットスクリューを締めてください。

The Story of the Little Red Seal (1917 Willcox & Gibbs SMC) JP

はじめに 

¶ 商人はドアの上に自分の名前を掲げ、士官は階級章をつけ、船は国旗を掲げます。それぞれが周囲の環境に応じて適切に認識され、分類されるためです。

¶ 当社は、ニット下着の製造に用いられる改良技術を開発しました。これは、世界中の人々の快適さと幸福度を高める発明の成果です。私たちは、この成果に誇りを抱いています。

¶ そして、買う人がこの安らぎの源がどこにあるのかを知ることができるように、

   “The Little Red Seal” 

をつくり、その物語をこの小冊子にまとめました。


¶ 読む人がこのページから何らかの楽しみ、そしておそらくは説明を得ること、そしてこの小冊子を受け取った商人が個人の楽しみだけでなく享受できることを私たちは願っています。

The Rev. Wm. Lee and Family. 

1850 年に出版された、ロイヤル・アイリッシュ・アート・ユニオンの彫刻より 

The Story of the Little Red Seal 

 現代の私たちは、アウターウェアと同じくらい、生地の美しさ、サイズの正確さ、完璧なフィット感と仕上げにこだわったニット下着に慣れ親しんでいます。 もし私たちが今、祖父母が愛用していたような、ハサミと手縫いで仕上げられた縫い目の下着を使わざるを得なくなったら、現代のニット下着の大きな進歩をもっと深く理解できたことでしょう。

少し過去に戻って、初期の製造条件のいくつかを考えてみましょう。

  The First Knitting Machine 

 1589年以前は、編み物はすべて手作業で行われていました。その頃、イギリス、ノッティンガムシャー州ウッドバラのウィリアム・リー牧師は、妻が器用に編み針を操る指の動きを機械に応用するというアイデアを思いつきました。 最初の生産は必然的に手動の粗雑な機械でしたが、これが後に編み物産業の隆盛への道を拓きました。現在では、世界中の靴下・下着工場でこれらの機械が見受けられます。リーの発明は、今日アメリカ合衆国が容易に世界一の地位を占めるほどの世界的な産業への道を切り開きました。 ここで牧師の機械の機械的な詳細を考慮する必要はありません。彼が発明した基本的な操作のいくつかは今日まで保持されていると言えば十分でしょう。

 編み物産業の継続的な成長と編み物生地の多くの改良と同時に、より優れた縫い目に対する切実な需要が生まれ、この技術における最初の注目すべき進歩は、1880 年に初めて販売されたウィルコックス & ギブスの縫い合わせおよびトリミング マシンでした。 このミシンは、円形またはカットの靴下やニット下着を非常に優れた方法で仕上げ、これまでにないレベルの耐久性、快適さ、フィット感と仕上がりを実現したため、編み物産業が盛んな場所ではどこでもすぐに人気を博しました。 トリミングと縫い合わせを一工程で行えるこの機械の成功は、ウィルコックス&ギブス社の技術者たちの発明への意欲を高め、1889年に「オーバーロック」縫い機を発表しました。オーバーロック縫いの最大の特徴は、きれいにトリミングされた端が柔らかなオーバーシームステッチの下に隠れることです。

 ノッティンガム駐在の米国領事はワシントンへの報告書の中で次のように述べている。

 「ウィルコックス&ギブスのオーバーロックステッチング装置は、導入以来驚異的な成功を収めてきました。製造業者間の熾烈な競争により、経済的な理由と、差別化された市場向けの生産品の品質向上の両方を目的として、その使用が必要になった。」 

 オーバーロックミシンは手縫いの少なくとも100倍の速度で稼働し、長年にわたり最も強度が高く、見た目も美しく、快適な縫い目として、疑いようのない地位を占めてきました。ニット下着に使用される縫い目です。米国政府は20年近くにわたり、陸軍と海軍の下着にオーバーロックミシンを規定しています。

  The “Flatlock” Seam 

 一つのステップが次のステップへと繋がるように、オーバーロック縫いは比類なき「フラットロック」シームの発明へと繋がりました。(米国および諸外国で特許取得済み) 私たちの多くは、「チクチクする」縫い目、つまり肌に跡がつく縫い目のある下着を着用した経験があり、縫い目が破れてしまった下着を経験したことがあるでしょう。フラットロックシームは、こうした不快感の原因を取り除きます。完全に平らで、他の縫い目とは異なり、一枚の生地と糸だけでできています。肌に触れる縫い目には、凹凸がありません。

 フラットロックシームは、カットエッジを完璧に接合し、縫い合わせることで、着用者の体に1枚の布地しか見えないように仕上げることで、着用時の快適性を高めます。縫い目は完全に平らで滑らかであるため、快適です。また、非常に強度も優れています。 フラットロック特許の縫い目が作られる機械もウィルコックス&ギブスミシン社の発明であり、業界に提供されてから短期間で、米国、英国、カナダの約 200 の工場がこれを採用しました。ある米国の高級下着製造業者は、年間 500 万着の製品にすべてフラットロック縫い目が使用されていると宣伝しています。

毎年 500 万着以上の衣類が「フラットロック」縫いで仕上げられるパイオニア工場

着用者への快適さとサービス 

 上の写真を見て、フラットロックシームの下着がなぜ快適なのかを確認してください。 フラットロックシームは、糸を巧みに織り合わせた縫い目で、縫い目は、どの部分が切れても、縫い目の残りの部分はどちらの方向に引っ張られても裂けたりほつれたりしないように配置されています。 これが、フラットロックシームの下着が長持ちすると言われる理由です。 縫い目が裂けたりほつれたりする場合、それはフラットロックシームではありません。

“The Little Red Seal” 

 しかし、縫い目は衣服の一部に過ぎず、注意深く見なければほとんど気づかれません。
 そのため、フラットロックシームを簡単に識別できる方法が求められました。
 熟考と試行錯誤を重ねた結果、選ばれた識別マークは「リトル・レッド・シール」でした。

the Little Red Seal

 注目すべきは、このシールにはいくつかの利点があることです。まず、鮮やかな色と左右対称のデザインなので、購入者がすぐに見分けられます。次に、このシールには「快適さと耐久性」「ほつれにくい」といった縫い目の利点が集約されています。  買い物をする際には、このシールを探してみてください。
 「リトル・レッド・シール」は、個々の衣類や箱に使用できるメーカーに提供されています。ショーカードやプライスカードにも使用できます。
 「リトル・レッド・シール」が表示されている場所では、快適で実用的なフラットロックシームの下着を購入できます。そして、フラットロックシームの下着を販売している商人は、その商売に適した高品質の商品を専門に扱っている商人です。
 フラットロックシームの下着は、お近くの販売店にご依頼ください。

米国政府の承認 

  1917年 3月、米国政府はニット下着の仕様を次のように発表しました。

FLATLOCK シームが使用されている場合を除き、すべての縫い目は平らで二重縫いされている必要があります。 * ** すべてのステッチは安全かつ強力であり、ほつれたり抜けたりしない必要があります。 (仕様 55 U1a) 

 英国では、70 社を超えるメーカーが英国陸軍と海軍向けにフラットロックシームでニット下着を仕上げています。アメリカとイギリスという 2 つの大国の政府が軍用下着にフラットロック シームを使用することを全面的に承認しているのであれば、そのフラットロック シームを使用した下着が民間人にとっても、つまりあなたにとっても、同様に満足のいくものであると主張するのは公平ではないでしょうか。 フラットロックシームにより、衣服の見た目とフィット感が向上し、生地の耐久性が向上します。 フラットロック特許取得縫い目で作られた衣料品を着用することで、より優れた快適さとサービスを確保できます。

フラットロックシームと現在着用している衣服の
縫い目を比較してください。  

Copyright, 1917 by
Willcox & Gibbs Sewing Machine Co. 
Form 236-8-15-17.

℔ 1917年にWillcox & Gibbs Sewing Machine Co. より発刊されたものを当方が文字起こしと翻訳した記事です。オリジナルのコピーを見たい場合はこちらの検索結果より確認ください。また、内容の記載に問題がある場合は問い合わせ先より連絡ください。

The Story of the Little Red Seal (1917 Willcox & Gibbs SMC)

日本語 (翻訳)はちら

A Word of Introduction 

¶ The merchant puts his name above his door, the officer wears the insignia of his rank, the ship flies the flag of its nation – each that he may be recognized and classified in his proper relation to his surroundings. 

¶ This company has evolved an improvement used in the manufacture of Knit Underwear. It is the result of an invention that adds to the sum total of comfort and happiness of the world at large. It is an achievement in which we take a just pride. 

¶ And, that he who buys may know where this source of comfort may be found, we have originated 

   “The Little Red Seal” 

of which we set forth the story in this little book. 

¶ It is our hope that the reader may gain something in the way of entertainment – and possibly instruction – from these pages, and that the merchant from whom you received this booklet may continue to enjoy not only your patronage, but your friendship as well. 

The Rev. Wm. Lee and Family. 

From an engraving of the Royal Irish Art Union, published in 1850. 

The Story of the Little Red Seal 

¶ We, of this day and generation, are accustomed to knit underwear that shows quite as much attention to beauty of fabric, correctness of size, perfection of fit and finish as our outer wear. Were we now forced to use underwear like that worn by our grandparents, with its hand – sewn, scissors – trimmed seams, we would appreciate more fully the great improvements in our present day knit undergarments. 

 ¶ Let us go back a little and consider some of the earlier conditions of manufacture. 

  The First Knitting Machine 

¶ Prior to 1589 all knitting was done by hand. About that time the Rev. Wm. Lee of Woodborough, Nottinghamshire, England, conceived the idea of applying to a machine, in effect, the motions of his wife’s fingers as he watched them dexterously ply her knitting needles. 
Necessarily, the first production was a hand- operated machine, crude in construction, but it opened the way to that great flood of knitting. machines now found in Hosiery and Underwear Mills everywhere. Lee’s invention blazed the way for a world-wide industry in which the United. States today easily holds first place. 
It is unnecessary here to consider the mechanical details of the clergyman’s machine; suffice it to say that some of the fundamental operations he invented are retained to this day. 
Simultaneously with the continuing growth of the knitting industry and the many improvements in knit fabrics, there was a pressing demand for better seams, and the first notable advance in the art was the Willcox & Gibbs’ Seaming and Trimming Machine, first marketed in 1880. 
¶ This sewing machine finished circular or cut hosiery and knit underwear in so superior a way as to offer a degree of durability, comfort, improved fit and finish previously unknown, and it at once became popular wherever the knitting industry thrived. 
The success of this machine, which trimmed and seamed in one operation, encouraged the engineers of the Willcox & Gibbs Co. to continue their inventive efforts and in 1889 their “Overlock” Seaming Machine was introduced. ¶ The principal feature commending the Overlock seam was the concealment of the neatly trimmed edges beneath a soft overseaming stitch. 

¶ The United States Consul at Nottingham, in his report to Washington, stated: 

 “The Overlock Stitching Device of Willcox & Gibbs has had a phenomenal success since the date of its introduction ….. The keen competition among manufacturers has necessitated its use both as a matter of economy and to improve the character of output for a discriminating market.”  

¶ The Overlock machine operated at least one hundred times as fast as handstitching and made a seam that for years held unquestioned precedence. as the strongest, most sightly and most comfortable. seam used on knit underwear. For nearly twenty years the United States Government has specified the Overlock Seam for Army and Navy underwear. 

  The “Flatlock” Seam 

¶ As one step led to another, so the famous. Overlock seam led to the invention of the incomparable “FLATLOCK” Seam. (Patented in the United States and Foreign Countries.) 
Most of us have worn underwear with “scratchy” seams, or seams that marked the flesh, and all of us have had undergarments which gave out at the seams. 
The Flatlock Seam does away with these sources. of discomfort. It is perfectly flat, and, unlike other seams, it is made up of only a single thickness of the fabric, plus the thread. The side of the seam next the flesh has no ridges or humps. 
The Flatlock Seam makes for greater comfort to the wearer, because it is a perfect union of abutted cut edges, so stitched together that the seam presents only one thickness of cloth to the body of the wearer. The seam is perfectly flat and smooth, hence comfortable. It is also very strong. 
¶ The machine on which the Flatlock Patented Seam is made is also the invention of the Willcox & Gibbs Sewing Machine Co., and in the short space of time since it was offered to the trade, about 200 Mills in the United States, Great Britain and Canada have adopted it, one U. S. manufacturer of high grade underwear advertising that his annual product of 5 million garments is Flatlock seamed throughout.  

The Pioneer Mill where over 5,000,000 garments are finished every year with “Flatlock” Seams. 

Comfort and Service to the Wearer 

 ¶ Study the photograph above and see why underwear with the Flatlock Seam is comfortable. The Flatlock Seam is a skilful interlacing of thread and with the stitches so arranged that any of them may be cut, but the rest of the seam will not rip nor ravel when pulled in either direction. This is why underwear with the Flatlock Seam represents long service. If the seam rips or ravels it is not the Flatlock Seam. 

“The Little Red Seal” 

¶ But a seam is only a part of a garment and comes in for little notice unless one looks for it.
¶ Hence a means of ready identification of the Flatlock Seam was sought. After considerable thought and experimenting, the identifying mark chosen was. “the Little Red Seal.” 

the Little Red Seal

¶ It is to be noted that it has several good points. First, it is bright in color and symmetrical in design so that it is easily seen and quickly recognized by the purchaser. Second, it sums up the advantages of the seam – “Comfort and Service” and “Will not Rip nor Ravel.” Look for it when shopping. 
“The Little Red Seal” is offered to manufacturers who may use it on the individual garments or on the boxing. It can also be used on show cards. and price cards. 
Wherever “the Little Red Seal” is shown, comfortable, serviceable Flatlock seamed underwear may be bought. And the merchant who sells Flatlock seamed underwear is the merchant who specializes on quality goods for his trade. 
Your dealer can supply you with Flatlock seamed underwear. Ask him. 

U. S. Government Approval 

¶ In March, 1917, the United States Government published specifications for Knit Underwear as follows:

“All seams to be flat and double seamed except where FLATLOCK seam is used. * **
All stitching to be secure and strong, and not to ravel or pull out. (Specifications 55 U1a.) 

¶ In Great Britain over 70 manufacturers are finishing knit underwear with the Flatlock Seam for use by the British Army and Navy. 
If the Governments of these two great countries, the United States and Great Britain, so thoroughly approve the use of the Flatlock Seam on military underwear, is it not fair to claim that underwear with the Flatlock Seam will prove equally satisfactory to the civilian – to YOU? 
The Flatlock Seam makes the garment look well and fit well, and will outwear the fabric. 
Secure greater comfort and service by wearing garments made with the Flatlock Patented Seam.

Compare the Flatlock Seam with
the seam of the garment you now wear.  

Copyright, 1917 by
Willcox & Gibbs Sewing Machine Co. 
Form 236-8-15-17.

℔ 1917年にWillcox & Gibbs Sewing Machine Co. より発刊されたものを当方が文字起こした記事です。オリジナルのコピーを見たい場合はこちらの検索結果より確認ください。また、内容の記載に問題がある場合は問い合わせ先より連絡ください。